会話に使える!英文法

「英会話に文法はいらない」は完全な間違い!実用的な英文法の知識をどんどん紹介します。

日本人の間違い 紛らわしい表現

3大代名詞の “it”, “this”, “that” を的確に使い分ける!

 

突然ですが、次のカッコの中から正しいものを選んでください。

A: I’m thinking of taking a walk with you after breakfast. What do you think?
「朝食後に散歩でもどうかな?」
B: (It / This / That) sounds good!
「いいね!」

いかがでしょうか?

“it” も “this” も “that” も、どれも行けそうな…

どれもそれよりも前の何かを指す「代名詞」です。

ということで、今回は混同しがちな3大代名詞の “it”, “this”, “that” の使い分けを学びましょう。

“it” は1語を指す

上の問題、”it” を選んだ方が多いのではないでしょうか?

しかし、正解は “that” です。

“That sounds good!”

多くの英語学習者が「”it” は前文の内容を指す」という間違った認識を持っています。

しかし、代名詞 “it” は、前に出てきた特定の1語を指す機能しかありません

例えば以下のようなケースです。

ex) Reading is a good thing. It makes our life more wonderful.
「読書はいいことです。人生をより豊かにしてくれます」

この場合の “it” は、前文の “Reading” を指しています。

間違っても、「読書はいいことです」を指しているわけではありません。

もう一つ。

A: How was your trip?
「旅行はどうだった?」
B: It  was fun!
「楽しかったよ!」

こちらの “it” は “trip” を指しています。

あと2つほど例文を。

ex) I visited Oxford the other day. It was such a beautiful town.
(先日オックスフォードに行きました。とても美しい街でした)

ex) I hate this job. It’s not for me.
「この仕事嫌いだな。僕に向いてないよ」

もう説明はいりませんよね。

このように “it” は前文に出てきた特定の1語を指す機能のみで、前文の内容を指すという機能はありません!

“that” は他人の発言などを指す

残りの”this” と “that” が、前文の内容を指す代名詞になります。

ということで、冒頭の例文をもう一度。

A: I’m thinking of taking a walk with you after breakfast. What do you think?
「朝食後に散歩でもどうかな?」
B: That sounds good!
「いいね!」

Aさんの「散歩に行こう」という提案、つまりAさんの発言全体に対して「いいね!」と言っているわけです。

ですから、前文の内容を指す “that” なのです。

A: Finally I passed the exam!
「ついに試験に受かったよ!」
B: That sounds great!
「すごいね!」

これは「ついに試験に受かった」という前文の内容を指すので “that” です。

 

ここまでの復習として、以下それぞれのBさんの発言の違いを感じてください。

A: I got a new jacket.
B: It’s really nice!

A: I got a new jacket.
B: That’s really nice!

上の方は “it” です。

ということは、前文にある特定の1語を指しているので、”jacket”を指して「それ(ジャケット)はとてもいいね!」と言っているのです。

一方、下の方は “that” なので、前の文全体、つまり「新しいジャケットを買った」という事実に「とてもいいね!」と言っているわけです。

“this” は自分の発言

“that” は他人の発言、一方 “this” は自分の発言、という具合に使い分けます。

ex) She likes good-looking guys. This means she doesn’t like you.
「彼女はイケメン好きなのさ。つまり君のことは眼中にないということ」

この “this” は、今自分が言った「彼女はイケメン好きなのさ」を指しています。

 

以上はあくまでも原則であって、ネイティブが言ったり書いたりする文にはこの限りではない例外があることも事実ですが、この原則を知るだけで、迷いは激減することは間違いありません。

この知識を持って様々な英文を見てください。

納得いただけると思います!

スポンサーリンク

-日本人の間違い, 紛らわしい表現

執筆者:

関連記事

“at last”と”finally”は使い分けが必要!

「ついに~、ようやく、とうとう」という時に”at last”を使う日本人は多いと思います。 しかし、”at last”はどんな時にも使える万能選手ではあ …

“so cold a night”って? – “so”と”such”の使い分け

いきなりですが「寒い夜」を英語で表現してください。 ex) A cold night これなんかが一番シンプルな言い方ではないでしょうか。 次に、この英文を「とても寒い夜」にしてください。 ex) A …

日本人のカン違い – ”common”と”popular”の違い

  日本人によくある間違いの一つに”common”と”popular”の使い分けがあります。 傾向として、どちらも「よくある」という意味として使ってしまう日本人が非常に多い気がします。 ”c …

“Please help my homework”はダメ! – “help”の正しい使い方

  先日、親戚の中学生に英作文を教えていたところ、次のような英文をこしらえました。 X  Please help my homework. 「宿題を手伝って!」という文章ですが、これは不適格 …

‘to do’ と ‘doing’ の考え方 – 不定詞と動名詞のお話 Part 1

「この動詞の後ろは ‘to do’?それとも ‘doing’?」 これ、英語学習者が悩まされる問題の一つですよね。 楽な覚え方はないのでしょうか? 例え …