会話に使える!英文法

「英会話に文法はいらない」は完全な間違い!実用的な英文法の知識をどんどん紹介します。

日本人の間違い

“give up”の間違い – 本当の2つの用法

 

今回はとても便利な表現”give up”についてです。

“give up”は現在では日本語でもそのまま使いますよね。

「あきらめる」
「降参する」
「ギヴする」(笑)

という意味合いで「ギヴアップ」をそのまま使います。

しかし、気軽に使える便利な表現だけに、いざ英語で使おうとしたときに間違って使っているケースも散見されます。

今回はそんな”give up”を見直してみましょう!

何を「あきらめる」のか?

まず、以下の文章を見てください。

(×) I gave up buying the roadster because it was very expensive.

「とても高価なので、私はそのオープンカーの購入をあきらめました」という意味合いで英文を作ったのでしょう。
(ちなみに、”roadster”は「オープンカー」という意味です。実際に「ロードスター」という名前の車もありますが、英語ではあくまでも「オープンカー」です!)

さて、上の文章、日本語訳だけを見ると、何の問題もないように感じますが、実は英語としてはちょっと不自然なのです。

……なぜでしょう?

それは、この文章においての「あきらめる」で”give up”を使うのはおかしいからです。

つまり”give up”は「何をあきらめるか?」を考えて使う必要があるのです。

“give up”の本当の意味

“give up”の主な用法は以下2つの場合です。

1)継続してきた習慣や行為を止める
ex) After I gave up smoking, I started to gain weight.
「タバコをやめたら、体重が増えだした」

ex) Tom has still not given up the search.
「トムはまだ研究をあきらめてはいない」

2)すでに持っているものや地位を捨てる
 ex) He gave up his job and started running his own business.
「彼は仕事を辞め、自分のビジネスを始めた」

ex) I don’t want to disappoint my wife by giving up this position.
「私はこの地位を捨てることで妻をがっかりさせたくはない」

以上のように、

1)何かをずっとやってきて、それを辞める
2)すでに持っているものを手放す

というような場合にしか”give up”は使いません。

ですから、最初の「オープンカーの購入をあきらめた」というケースにおいて”give up”は不自然なのです。

つまり「何かを買うこと」は”give up”の対象にはならないということですね。

以上のように、日本語では自然でも、それをそのまま英語に置き換えてしまうとすごく不自然というケースは非常にたくさんあります。

もちろん、その逆のケースもしかりですよね。

そのような間違いは、特に今回の”give up”のような基本的な単語や熟語の使い方で多く見られます。

基本の見直しはとても大切ですね!

スポンサーリンク

-日本人の間違い

執筆者:

関連記事

‘very’ には形容詞の働きも! – もっと ‘very’ を有効活用しましょう

ex) Thank you very much! いきなりの例文です(笑) この英文、恐らく英語を話せない日本人でもほぼ間違いなく知っているものでしょう。 ex) I’m very hun …

「~ではないと思う」は “I think A isn’t~” か? “I don’t think A is~” か?

  突然ですが、以下を英訳してください。 「彼はいいギタリストではないと思う」 多くの日本人は以下のようにするのではないでしょうか? ex) I think he isn’t a …

関係詞節の先行詞につく冠詞は “a” か “the” か?- その考え方をマスター!

   ただでさえ日本人にとっては難しい冠詞。 関係詞節の先行詞になる名詞には、”a”が付くのか? それとも”the”が付くのか? 今回はその考え方を完全 …

「遠い」は”far”でもいいですが……

  「遠い」という表現は、日常的によく使うものでしょう。 「私の家はバス停から遠くて」とか「ここから駅は遠いですか?」などなど。 そのときに、日本人がまず思いつく単語が”far”ではないでし …

「目的」のto do / for doingは使い分けが必要!

今回は「目的」を表すto do / for doingについてです。 言うまでもなく、to doは「to不定詞」と呼ばれ、for doingの方は、forが前置詞なので後ろは「動名詞-ing」になって …