会話に使える!英文法

「英会話に文法はいらない」は完全な間違い!実用的な英文法の知識をどんどん紹介します。

時制

「進行形」と「過去形」で丁寧さを表現できます!

 

よく「英語で丁寧さを出すにはどうすればいいか?」という疑問を聞きます。

たまに「外国人はフランクだから、丁寧表現なんてないよ!」などという暴論を聞いたりしますが……(笑)

もちろん、英語にも丁寧な表現はあります!

では実際に丁寧な表現をするにはどうすればいいか見ていきましょう。

進行形の意外な使い方

以前「進行形」について学びました。
「軽視できない現在形と進行形」参照)

そこで「進行形」のコアイメージは“一時的”ですとお伝えしました。

そのイメージこそが丁寧さを醸し出してくれるのです!

まず以下の英文をご覧ください。

ex) I hope you can lend me some money.

これは”hope”を現在形で使っていて、伝わるニュアンスはとても直接的です。

つまり「私はあなたがお金を貸してくれる可能性があることを望んでいます」とダイレクトに言っているので、聞き手にイヤな感じを与えかねません(笑)

しかし、次のように「進行形」に変えてあげるだけでニュアンスに変化が出ます。

ex) I’m hoping you can lend me some money.

繰り返しになりますが「進行形」のコアイメージは“一時的”です。

ですから、このように「進行形」にすると「これはあくまでも一時的、暫定的なことだから、叶わなくても全然OKですよ」という気持ちが入るのです。

つまり「普段はそうじゃないんですが……」という意味合いが入り、その結果として押しが弱くなって丁寧に響くのです。

この例文だと「ちょっとお金貸してくれたりしないよね?」という感じでしょうか?

「進行形」にするだけで丁寧さが出せるなんて驚きでしょ?(笑)

でも、これがネイティブのニュアンスなのです!

時制だけでさらに丁寧にできる

時制をいじるだけで、もっと丁寧にすることだってできます!

これまた以前「仮定法」で、「動詞の過去形は“現実離れ”感を出せる」と学びました。
「仮定法 – イントロダクション」参照)

「仮定法」は動詞を1つ過去へシフトバックするのが特徴で、それにより「現実の話ではないですよ」というニュアンスをだすのでしたよね。

この「現実の話ではない」というところに丁寧さが出るのです!

先ほどの文章を使ってみましょう。

ex) I hoped you could lend me some money.

動詞が現在形の”hope”だと、「今の意思」という直接的なニュアンスになってしまいますが、過去形の”hoped”にすると「今現在の意思じゃないんだけどさ……」という感じで、現在とは切り離された間接的なニュアンスが入るので、結果として丁寧な響きになります。

合わせ技だと……

といことで「進行形」「過去形」で丁寧さが出せるのなら、その合わせ技である「過去進行形」にすればもっと丁寧になるかも!……

と考えたそこのアナタ!

大正解です!(笑)

ex) I was hoping you could lend me some money.

「あのさぁ、ちょっとさぁ、お金を貸してくれたりなんかして欲しいなぁ~」という感じでしょうか?(笑)

このように動詞の時制を過去へずらすことによって、心理的な距離が生まれ、遠慮が加わり、結果として丁寧な言い回しになるのです。

是非ご活用ください!

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