会話に使える!英文法

「英会話に文法はいらない」は完全な間違い!実用的な英文法の知識をどんどん紹介します。

仮定法

仮定法過去は”過去”を意味しない!

 

今回は「仮定法過去」のお勉強です。
(以下2つ参照ください)
「仮定法 – イントロダクション」
「『法』のお話し② – 仮定法」

型は?

まずは例文から。

ex) If I had time, I would help you.

仮定法の攻略は「型」と「意味」です。

まず「型」ですが、「仮定法過去」の型は以下です。

If + 主語 + 動詞の過去~, 主語 + 助動詞の過去 + 動詞~.

これが「仮定法過去」の型です。

ポイントはif節の動詞の過去形と、主節(帰結節)の助動詞の過去形ですね。

前述の例文も、キレイにこの型になっていますよね。

使う動詞は過去時制だが……

「仮定法過去」が使われるのは、ズバリ”現在の状態に反する、仮定・願望・後悔”を表す時です。

ポイントは”現在”というところ……

つまり、”今”の時点においての現実に反することを述べるのです。

ですから、例文の意味は「もし今現在、時間があれば、君のお手伝いをするんだけどなぁ」になります。

本当に意味するところは、”現在の状態に反する”ですから、現実には「時間はないからお手伝いできない」ということになります。

あくまでも”今”の話をしているんですよ!

名前が「仮定法”過去”」なので、”過去の話でしょ?”という誤解を生んでしまい、ずーと勘違いしている人もいます(汗)

動詞の過去形を使っているから「仮定法過去」と呼んでいるだけで、あくまでも意味は”今現在”についてです!!

なぜ過去形なのかは「仮定法 – イントロダクション」をご覧ください。

主節の助動詞も大切

主節(帰結節)がwillの過去形であるwouldになっているのにも訳があります。

willは元々「きっとそうなる!」という力強さがあり、さらには「意思」も表します。
(willの名詞には「遺言」という大事な意味があります。「遺言」は亡くなった人の「意思」が書き連ねてあるものですよね)

そんな「意思」を表すwillは力強さを秘めています。

そんな力強いwillを、「もし~だったら……なのになぁ」というありえないことを想定する文章で使うのはヘンですよね。

そこは気弱にwouldで結ぶのがピッタリ。

「”if”=仮定法」では決してない!

あっ、ここで次の文章を見てください。

ex) If I have time, I will help you.

「“If” があるから仮定法だ!」と思った人……アウトです!(笑)

動詞に注目すると……have……現在形ですね?

これが「仮定法」だとすれば、動詞は過去形でなくてはいけませんよね?

この文章は「仮定法」ではなく、「直説法」の文章です。
「『法』のお話し① – 直説法」参照)

「直説法」の文章は、“ありのままの事実”を伝えるものです。

ということは、この文章の意味は「時間があれば、手伝うね」と言っているだけ。

時間があるかもしれないし、ないかもしれない……「あった場合には手伝うね」と伝えているだけです。

ですから「”If”があれば全部仮定法!」という考えは今から捨て去ってください!

“if” は「~ならば」という条件を表すただの接続詞でしかありません。

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